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「健康住宅を考える」室内温度と健康の関係とは?
こんにちは。
私たちは新築やリフォームのご提案するときにはいつも、より健康で快適に暮らせる住まいになるように工事内容を考えます。
みなさんの中には、「健康」と家は関係あるの? 今までも古くて寒い家でも暮らしてこられたし、どこに住むかは健康と関係ないでしょ? 思う方がたくさんいらっしゃると思います。
そこで、何回かに分けて「健康住宅」について、室内温度と健康の関係についてお伝えしていきます。
目次
①はじめに ~医療と住宅の関係とは?
②日本人の主な死因は循環器疾患
③住宅では心疾患、病院では新生物が死因のトップ
④病気の原因ってなんだろう?
⑤室温管理は世界の常識!!
⑥まとめ
1.はじめに ~医療と住宅の関係とは?
突然ですが、一年間の医療費がどのくらい国民の負担になっているかご存知ですか? 厚生省発表の資料を見ると2015年の国民医療費は42,4兆円と過去最高額で、2005年と比べると10年で約28%も膨れ上がっています。 さらに、政府の見通しでは2025年には52,3兆円になると予想され、その負担は益々重くのしかかってくる状況です。
WHO世界保健機関では、「健康」に定義づけをしていますが、その健康の前提条件として、1番は「平和」、2番は「住居」と明示されています。 このことからも、健康を維持するうえで食事や運動、睡眠に並んで住まいを考えることが重要であり、健康と医療と住宅は密接に関係していると言えるのです。
高齢者が健康で長生きし、自宅で快適に過ごすことで、本人と家族のみならず国の経済にまで良い影響をあたえることができます。
健康に暮らすこと = 本人と家族の身体的・経済的負担を軽減し、日本経済への負担もなくすことができる
2.日本人の主な死因は循環器疾患
日本人の主な死因は、がん・腫瘍、心疾患、そして脳血管疾患に代表される循環器疾患です。
病気を予防するためにはまず、食べたもので体は作られますから、農薬や化学肥料、家畜の成長剤や放射能汚染などは避けて、安全な食べ物を摂ることを心がけたり、肌や粘膜に触れる日用品からの経皮毒(皮膚を通して体の中に有害物質が入ってくること)にも気を付けることをしていただくことが良いと思います。
ただし、特に心疾患や脳血管疾患には血圧変動に作用する「気温」を調節することが効果的です。
上の図は死因別の月別死亡者数のデータです。
左のがん・腫瘍による死亡者数は年間を通してほぼ一定です。
中央の心疾患と脳血管疾患は12月から2月にかけてグラフが大きく上昇していて、気温の変化に大きく影響を受けていることがわかります。
右の図は溺死と溺水ですが、海やプールに行く夏ではなく冬に圧倒的に多くなっています。 これは家庭内の浴室で起こる不慮の事故によるものです。 寒い脱衣所と、暖かい浴室の気温差が「ヒートショック」と呼ばれる血圧の急激な上昇・低下を招き、心疾患や脳血管疾患の発生数を増やします。そしてそれが浴室で溺れてしまうということにつながってしまうのです。
心疾患、脳血管疾患は気温の差がある冬季に急増しています。
3.住宅では心疾患、病院では新生物が死因のトップ
もうひとつ、気温と病気を結びつける資料があります。
住宅内の死亡率の推移と、病院内の死亡率の推移の二つのグラフです。住宅内では心疾患の死亡率が冬季に最大2.4倍ほど増えていますが、室温が比較的安定している病院内では1.6倍ほどに抑えられています。
ここからも室温の管理が疾患の予防につながることが読み取れるのではないでしょうか。
室温を適切に管理すれば、心疾患を起こす確率を下げることができる。
4.病気の原因ってなんだろう?
家族が病気にならないために、病気になる原因を知っておくことが大切です。
病気の主な原因とされているのは、食生活や運動、喫煙・飲酒の有無などの生活習慣です。それらによる糖尿病や脳卒中、心臓病や肥満、高血圧などの生活習慣病で命を落とす人は日本人の3分の2以上と言われています。
他にも地球環境や有害物質、ストレスなどの外部環境要因も影響しますので、もう世の中は病気の原因だらけと言っても過言ではないのではないでしょうか。
予防が困難な病気もありますが、生活習慣を見直してストレスのない環境を整えることが病気の予防にはかかせません!
★食生活の見直しを、酵素を積極的に摂ることから始めてみませんか。
病気の発生要因の50%は生活習慣。生活習慣は自分で改善できる!!
5.室温管理は世界の常識!
イギリスでは住宅の断熱性向上と適切な暖房を国レベルで指示しています。
HHSRS(英国で開発された住宅の健康安全評価システム)では、健康的な推奨室温は21℃、16℃以下になると呼吸器障害や心疾患などの発生する危険性が増すとされています。
発表されている健康リスクとは、脳卒中、心筋梗塞、肺炎、高血圧性疾患のリスクの増大、血液の濃化による冠状動脈血栓症リスクの増大などがあります。
そのため、健康性・安全性が劣る住宅に「改修、閉鎖、解体命令をする」として10年以上も前の2006年に英国住宅法を改正しています。
住環境と病気の関係データを読み解き、いち早く法規制をしていたのですね。
ちなみに日本では室内温度に関する決まりや法律は一切ありません!
真冬に室温5℃(低体温症を引き起こすハイリスクあり)になっている家も日本では珍しくないのでは?と思います。
冬になると寒い家で、居間と脱衣所、浴室、トイレの温度差に震えながら耐えて暮らしている方もいると思います。 そんな方は迷わず何か暖房を点けましょう。スポット的な暖房器具で、使う時だけその場所を暖めればいいのです。
脱衣室壁掛け暖房
トイレ照明器具兼暖房
病気になり健康な暮らしができなくなってしまうことや、治療費、家族の介護の負担、仕事への影響などを考えたら、月数千円のリスクヘッジは安いと思いませんか?
我慢できる、もったいないという精神は私にもしみついていますが、これは使ってもいいお金だと考えます。
★ 節約するのであれば、携帯電話や保険など大きな固定費の見直しが断然お勧めです。住まいの資金計画勉強会でもお話ししてます。
英国は「室温16℃以下で改修命令」、日本は「室温の基準なし」。
断熱改修をすることは理想です。でも、少ない費用で室温対策する方法はあります!
6.まとめ
健康に暮らすこと = 本人と家族の身体的・経済的負担を少なくし、さらには日本経済への負担を減らすこと
心疾患、脳血管疾患は気温の下がる冬季に急増しています。
室温を適切に管理すれば、心疾患を起こす確率を下げることができる。
病気の発生要因の50%は生活習慣。生活習慣は自分で改善できる!!
英国は室温16℃以下で改修命令、日本は室温の基準なし。
断熱改修は理想です!でも少ない費用で室温対策する方法はあります!
*参照:一般社団法人 健康・省エネ住宅を推進する国民会議「医師と考える健康な家づくり」